結膜炎
細菌性結膜炎
症状
白目の充血があり、粘度が高く黄色がかった目やにが多く出ます。
原因
身の回りに存在している黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌などの細菌に感染し、炎症を起こします。
治療
細菌感染ですので、抗生物質の点眼薬を使います。医師の指示通りに点眼したら、ほとんどが数日で治ります。
感染について
感染することはあまりありませんが、ご高齢の方や乳幼児など感染リスクの高い方がいるご家庭では注意が必要です。
ウイルス性結膜炎
アデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス感染で起こる結膜炎です。ウイルス性結膜炎にはさまざまな種類があります。
1,流行性角結膜炎(はやり目)
症状
ウイルス感染してから1~2週間後に突然、異物感や充血、まぶたの腫れ、目やにの増加などの症状が現れます。最初に症状が現れてから10日ほど後になって、角膜が炎症を起こしたり、ものがかすんで見えるといった症状が出てくることもあります。
原因
アデノウイルス8型の感染が原因です。
経過
治療をはじめて治るまでに約2~3週間かかります。角膜炎を起こした場合、数ヵ月間その影響が残る可能性がありますので、しっかり治るまで定期的な眼科検診が必要です。
感染について
感染しやすいため、二次感染に注意する必要があります。
2,咽頭結膜炎(プール熱)
症状
ウイルス感染から5~6日後に症状が出はじめます。充血や目やにといった結膜炎の代表的な症状以外では、喉が赤くなって高熱を出すことがあります。感染経路は主にプールなどです。
原因
アデノウイルス3型の感染が原因です。
経過
治療開始後、治るまでに2週間ほどかかります。
感染について
プールなどで感染することが多いため、注意しましょう。
3,急性出血性結膜炎
症状
エンテロウイルス70型の感染が原因です。
原因
アデノウイルス3型の感染が原因です。
経過
治療開始後、治るまでに10日ほどかかります。
感染について
伝染力がとても強く、すぐに感染してしまうため注意が必要です。
4,ウイルス性結膜炎治療
ウイルスは細菌ではないので抗生物質が効くわけではありませんが、ウイルス感染で弱った目は細菌感染のリスクが高まっている状態なので、その防止のために抗生物質を使用し、あわせて症状を和らげる抗炎症薬を使います。どちらも点眼薬です。ウイルスへの抵抗力がついて治るまでには1~3週間ほどかかります。
そして、ウイルス性結膜炎は、感染しやすいため、他人にうつさないように注意をしてください。
※診断書や治癒証明が必要な方はご相談ください。
感染を広げないために、感染しないために
ウイルス性結膜炎にはさまざまな種類がありますが、どれも伝染力が強くうつりやすいので、感染を広げないよう、そして感染しないよう、以下のことに注意しましょう。
- 手で目やその周囲を触れないようにしましょう。
- タオルや洗面用具は他の人と共有せず、ご自分一人のものを使いましょう。
- 他の人の使っている目薬の使用はやめましょう。
- ご家族の方の感染が多いため、なるべく感染者には触らないようにしましょう。
- こ ま めに手を洗いましょう。その際、流水や石けんですみずみまでよく洗います。
- 感染がわかったら、学校、幼稚園、保育園は医師の許可があるまで休む必要があります。
- 感染したら、人混みは避けましょう。
アレルギー性結膜炎
「アレルギー」とは、ある特定の物質に対して身体が過敏に反応することであり、原因となる物質はアレルゲンと呼ばれます。ある物質にアレルギーを持っている方の結膜にアレルゲンが入ると、かゆみや充血が起こります。日本では全人口の約15~20%がアレルギー性結膜炎だという推定が最近になって報告されており、誰もがなる可能性のある病気だと言えます。アレルギー性結膜炎には、一年を通して起こる通年性のものと、ある季節にだけ起こる季節性があり、スギ花粉症は季節性の代表的なものです。
症状
目やまぶたのかゆみ。充血。白っぽい目やに。
原因
通年性ではダニやカビ、ハウスダストが原因となっていることがほとんどです。コンタクトレンズを使っている方のアレルギー性結膜炎も最近増えています。季節性では、スギなどの花粉が代表的な原因となっています。
カ ビ
カンジダ、アルテルナリア
ダニ
ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ
花粉
スギ、ヒノキ、マツ、コナラ、クヌギ、シラカバ、ハンノキ
カモガヤ、ハルガヤ、スズメノテッポウ 、オオアワガエリ
イネ、ギョウギヒバ、ススキ、ヨモギ、ブタクサ、カナムグラ、イラクサ
治療
抗アレルギー点眼薬で、かゆみの元となるヒスタミンという物質を出しにくくします。 症状が強い場合にはステロイド点眼薬を使用することもありますが、緑内障や白内障を誘発するといった副作用があるため、経過を慎重に観察する必要があります。 季節性で毎年同じ時期に結膜炎になる場合、その時期の数週間前から抗アレルギー点眼薬を使用すると効果が見込めます。 そして一番大切なのは、アレルゲンとの接触をできるだけ減らすことです。通年性の場合はこまめな掃除を、季節性の場合には眼鏡の着用や帰宅時に玄関前でしっかり洋服を払って花粉を落とすなどの予防策をしっかり行いましょう。